俳優としての夢を叶える！ダウン症俳優メイン起用への挑戦

ダウン症俳優・吉田葵（17）が、現在放送中のNHK総合ドラマ10「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」にて華々しい演技を披露し、注目を集めています。この作品では、ダウン症を持つ俳優として日本初の連続ドラマのメインキャストに起用されたことで、彼の挑戦は広く注目されることとなりました。

作品の背景

このドラマの原作は、SNSで話題になった作家・岸田氏の同名エッセイで、父が急逝し、母は突然車いすユーザーとなった一家のエピソードを描いています。弟の草太はダウン症を抱え、家族の中での「楽しい」「悲しい」さまざまな出来事を通じて描かれる心温まる物語です。

原作の特徴を深く尊重する制作チームは、実際の家族とも丁寧に取材を行い、彼らの実体験をドラマに生かしました。本ドラマの内容は、単なるファミリードラマではなく、キャラクターたちの葛藤や感情の豊かさを描くことにあります。

実際にダウン症の俳優をメインキャストに起用したのは日本初の試みとなります。ドラマプロデューサー坂部康二氏は、吉田の演技に注目し、彼が草太役にぴったりである理由を語りました。

「草太は岸田さんのエッセイの核をなすキャラクター。この役をダウン症以外の俳優が演じるのは違う」と坂部氏は断言します。オーディションでは約10人の候補者が集まり、各々の魅力を際立たせるアプローチを試みた結果、吉田が選ばれることとなりました。

吉田は撮影に対して非常に努力を惜しまなかったとのことで、撮影前の不安もありましたが、スタート後は彼の期待を超える演技が見られたと坂部氏は語っています。また、セリフも吉田の希望により、他のキャストと同じ関西弁に設定されたことで、彼自身の個性がストーリーに吸い込まれていきました。

課題	説明
セリフの長さ	初めは短いセリフが多かったが、徐々に増やすことができた。
演技の表現	吉田の人柄を生かすことでより自然な演技が実現できた。
撮影スケジュール	長丁場になることが予想されたが、本人の調整で乗り切った。